革製品の「コバ」
革製品の「コバ」とは?
革を製品にする段階で、裁断された革の切り口を通常「コバ」と呼んでいます。
革の切り口は、荒々しくて木目のように見えるため「木端(コバ)」と呼ばれています。
多くの革製品では、このコバの部分を「コバ磨き・コバ仕上げ」といわれる作業を経て、切り口を綺麗に整えられおり、このコバの部分が製品のデザインや耐久性に大きな影響を与えています。
「コバ」の処理
革の端を薄く漉いて折り返して縫い合わせて仕上げに薬品や顔料を塗布して固める技法です。近年、様々な機械が導入されていますが、基本的には革製品は1つ1つ革職人の手作業によって加工されて製品となっています。その時、細かな部分まで”キレイに仕上げる”中でコバの処理加工は重要な作業となっています。
「コバ」の重要性
デザインによりますが製品によってはわざとコバ加工をせず、裁断面をそのままにしている製品もあります。
コバを切断したままの状態で製品化すると、革の線維がほつれてしまったり、革にヒビが入って破損したり、コバの先端がバリバリとめくれてしまうこともあります。
また、コバは製品のデザインのためだけに加工するわけではなく、外部と接触する際の摩擦や衝撃に対しての保護作用も兼ねています。コバ仕上げは、デザインだけでなく耐久性の面でも非常に重要な仕上げ方法となります。
「コバ」の簡易お手入れ方法
コバは外側にある特性から傷や摩擦を受けやすく痛みやすい箇所でもあります。下記ではコバに対してのお手入れ方法を紹介します。
ご用意いただくもの
専門店でなくてもホームセンターや100均ショップで調達できるものも多いです。
・紙やすり (粗さ#400~#800)
・ブラシ
・きれいな布
・レザークリーム(革色とあった色付きのクリームが好ましいです)
・手拭き用の布
ブラシがけ
最初にコバ周辺をブラシがけして、コバの隙間にに入り込んだゴミやホコリを取り除きます。あまり力を入れすぎるとコバ以外の箇所に傷をつけかねないので注意してください。
表面加工
ゴミやホコリが取れたら、コバを目が細かめの紙やすりで軽くやすります。紙やすりをちょうど良いサイズに切り取って手でやすっても良いですが、アイスの棒などに紙やすりを切って両面テープや瞬間接着剤で貼り付けるとより作業しやすくなります。
力を入れるぎると、コバが薄くなってしまったり革に余計なダメージが残る可能性があるので、徐々に優しく作業をしてください。
クリーム
紙やすりのあとは、クリームを布に少量つけて馴らすようにコバ表面に塗り込んでください。塗り終えたら、30~40分程度放置し、乾燥させます。
クリーム拭き取り
乾燥後は乾いたきれいな布で、残った余分なクリームを拭き取ります。優しく丁寧に拭き取ったらコバのお手入れは完了です。
お手入れまとめ
革用のクリームを使用して製品全体のお手入れをしている人は多いと思いますが、コバに特化したお手入れをしている人は意外と少ないのでは?
全体の強度を守り、デザインにメリハリをつける重要な部分でもあるコバ。大好きな革製品だからこそ細かな部分までお手入れしていきたいですね。
最後までお読みいただきありがとう御座いました。
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