革製品の企画・制作・完成までの工程(工具・機材編その③)
ミシン同様に制作に欠かせない革漉き
革を漉く(薄くする)目的は、『仕上がりを軽くするため』『加工をしやすくするため』この2点が主な理由となります。
0.1㎜単位で厚みを変えながら均一に薄くする必要があるため、機械の調整で精度が大きく変わります。
漉き方は大きく分けて2種類
全体を均一に薄くするベタ漉きとコバ(革の裁断面)だけを薄くするコバ漉きがあります。
それぞれ漉き機の種類が違うので、両方機材を揃えているところもあれば、ベタ漉きは外注依頼してコバ漉きだけ自社で行っている、漉き作業はすべて外注していると様々です。
ちなみにWRは、革の半裁を仕入れる際に指定の厚みでベタ漉きをしてもらい、コバ漉き用の革漉き機だけ揃えました。
革漉包丁や専用の工具を使って漉くという方法もありますが、技術がないと厚みを均一に仕上げるのは難しく、時間もかかる為量産向きではないです。
また、縁漉き用の革漉きに何度も通すことでベタ漉きの様に全体の厚みを薄くすることもできますが、厚みのムラが出て精度が下がる為おすすめしません。
簡単そうで難しい革漉き
漉き機を使えば時間もかからずにきれいに漉けるでしょ!と思って購入しましたが、現実はそんなに甘くありませんでした。
スムーズに革が流れなかったり、厚みが均一にならなかったり、薄くなりすぎて切れてしまったり。
革の質感によって漉き具合が変わるので、少しづつ微調整をして厚みを確認を繰り返しながら慣れていきました。
また漉き方にも種類があり、へり返し(折れ曲がる部分)なのか、縫い代部分なのか、革を重ねる部分なのかによっても、斜めに落としながら漉くのか、均一に平らに漉くのか、部分的に溝をつけるのか等、漉き方を変えます。
次から次へと革が機械に吸い込まれてあっという間に薄くなっている様子を見ると誰でもできそうと思いがちですが、職人技が必須の作業です。
メーカーや機種も様々
国内メーカー、海外メーカー、新品、中古品、色々とあります。
ちなみに、WRで購入したのはZIT TOOLSさんで取り扱いのあるTAKINGという台湾製の漉き機です。
メンテナンスやアタッチメントのことを考えると国内メーカーの方がいいかな…と悩んだのですが、やはり予算が一番でした。
工業用ミシン購入と同時期でしたので、比較的リーズナブルで様々な漉きに対応できるという点で決めました。
購入してから5年ほど経ちましたが大きなトラブルもなく今でもしっかりと使えています!
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