革製品の企画・制作・完成までの工程(工具・機材編その①)
『革製品』といってもデザインや作り方は様々。
持っている工具・機材も違えば、得意としている分野も違います。
実際に私自身も革製品を作って販売しよう!と何もわからないところから始めて色々と知りました。
皮革関係の会社に勤めていたわけでもなく、全く知識も技術も無い状態でのスタートでしたので、最初は戸惑うことが沢山ありました。
まだまだ勉強過程であり、人にあれこれ教えられるほどのレベルには達していませんが、私たちと同じように革制作を職にしたい!という方々に向けて私なりに経験したことを発信していこうと思います。
手縫いで商品制作をスタート
材料も、工具・機材も、技術も何もないところからのスタート。
とにかく売るものがなければ仕方がない!ということで、手縫い用の工具一式購入しました。
なぜ手縫い用の工具を選んだか、その理由は比較的安価に揃うということ。
また、数か月ほど革製品を手縫いで教えてくれる学校に通った経験があったこと。
とにかく販売する商品を作らなければ、という焦りもあり、深くは考えずに手縫いで制作を始めました。
この選択が後の苦労になるとも気が付かずに…。
ミシン縫いへ方向性を変更
半年くらいは手縫いで商品を作っていましたが、とにかく大変でした。
薄くて柔らかい生地とは違い縫い針で穴を開けながら糸を通していくという方法はできない為、糸を通すための穴を開ける作業からはじまり開けた穴に糸を通して縫い合わせていきます。
柔らかく薄い革を使えば縫い穴を開けずに縫えるのでは?と考え試したこともありましたが、そもそも柔らかい革は手縫い向きではなく、強度も保てないため断念。
然程複雑な設計ではないはずの商品でも、1日に仕上げられる点数は数個。お財布などパーツや縫製箇所が多くなれば数日で1点を仕上げるという状態でした。
『ものづくり』と考えると楽しいのですが、『商売』と考えるとなんとも非効率。
費やした時間で工賃を割り出すと原価の時点で数万。そこに材料費特別や利益を乗せて…な技術力もなく、無名ブランドで数十万の財布を買う人がどこにいるのか…と悩んだ末、ミシン導入を決意しました。
作業スピードも商品幅もぐっとアップ
結論から言うと、最初からミシン購入すれば良かったな、と思います。
もちろん購入後すぐに使いこなせた訳ではないですし、それなりの費用と苦労もありきです。
工業用のミシンなので60万円ほどしましたが、作業スピードのみならず、制作できる商品の幅もぐっと広がりました。
何を作りたいか?どんな商品を展開したいか?で制作方法が変わる
『革製品』と一括りされがちですが、実際に制作してみると革製品の中にも色々な分野があるとこがわかります。
ミシン縫いが絶対に良いという訳ではなく、手縫いでしか作れない商品もあります。
特に固い厚手の革はミシン針が刺さらないこともあり、手縫いでしっかりと頑丈に仕上げます。
逆に薄手で軽く仕上げたい商品は、ミシン縫いでないとなかなかきれいに仕上げられません。
まずは、『扱う革の種類を決める』というのが非常に重要なポイントになります。
ちなみに、革の種類によっては作るアイテムの向き不向きもあるのでその点も要注意です!
革の種類とアイテムについても追々書きますね。
次回はミシンについて。
本文ではさらっと購入決意を書いていますが、購入するまでにも実は一苦労ありました!
何をそんなに苦労したのか、ご紹介します。
❖ WR Leather Craft ❖
オリジナルデザインの革財布・鞄・小物を販売
オンラインショップでご購入頂けます!
関連情報